返済期間の延長が認められる事情

個人再生による返済期間は、原則として3年間と定められています。しかし、特別な事情がある場合に限り、個人再生による返済期間を2年間延長することが可能となっています。

 

こちらをうまく利用すれば、返済がどうしても苦しく、債務整理による選択肢が自己破産しかないような場合であっても、個人再生によって解決が図れることもあります。

 

個人再生による解決ができるかできないかというのは、住宅ローンを支払っている方にとっては非常に重要な問題です。自己破産では住宅を守ることはできないのです。

 

延長が認められるための最低条件

返済期間の延長が認められるためには、とりあえずは収入を安定して得る機会があり、それが将来的にも見込めなければなりません。

 

収入があまりにも不安定な場合は、個人再生の申立自体が不可能となってしまうこともありますので、最低でもこちらは満たしていなければなりません。

 

延長が認められるのは、ある程度は収入があるにも関わらず、個人再生による借金の減額がされたとしても、住宅ローンなどによって3年間では返済しきれそうにない場合です。

 

さらに、何が理由となって返済しきれそうにないのか、というのも延長認可への肝となります。

 

3年間では返済しきれない理由

本人の浪費癖などによって返済しきれないといった、あまりにも不誠実な理由では2年間の延長は認められていません。

 

家族が病気になってしまった、子どもの養育費が多くかかってしまう、といったような、やむを得ない理由であることが条件です。娯楽や交際費といった理由では、裁判所も延長は認めてくれませんので要注意です。

 

とはいえ、裁判所側も延長には寛容で、延長の認可というのはかなりの確率で出ます。どうしても住宅を守りたい場合には、この2年間の延長が有利に働くこともあるため、よく検討してみるようにしましょう。

 

延長はいいことばかりではない

ただし、返済期間の延長というのは、決していいことばかりではありません。個人再生は完済から5~7年間は新たな借り入れをすることができないため、この期間がさらに伸びてしまいます。

 

また、返済期間が延長することによる、返済意欲の減少といった懸念もあります。5年間も返済を続けるのは、精神的負担の面からみても、あまりいいものとはいえません。

 

返済期間を延長する場合は、本当にやむを得ない事情なのかどうかをよく検討し、自分にとってはどちらのほうが良いのか、といったことまでしっかりと考えるようにしましょう。