妥協をしてしまうゼロ和解には要注意

個人で過払い請求をしている方は、特に注意を払う必要があるのが「ゼロ和解」です。

 

ゼロ和解というのは、お互いに債権債務がないことを了承しあうこと、つまり、0円で話し合いを終えましょうといったものです。どういった状況でこのような話が出るかというと、まだ残債務が残っている状態で取引履歴の開示請求をした場合に多いといえます。

 

取引履歴開示前のゼロ和解に要注意

貸金業者側は取引履歴の開示請求をされた際、過払い金の有無についても確認をします。ここで過払い金が発生しているとなると、貸金業者は取引履歴の開示をしてしまえば、次は確実に過払い請求をされると考えます。

 

それを阻止するために取引履歴の開示前に、本人に対してゼロ和解の話を持ちかけてくるというわけです。

 

「現在、残債務が○○円残っていますが、こちらを0円にしますので、このまま和解をしませんか?」といった具合です。

 

残っていた債務が0円になると聞くと、ついついおいしい話のように感じてしまいますが、これは確実に過払い金が発生している証拠ですので、このタイミングでは絶対に和解をしないようにしましょう。

 

取引履歴は必ず開示するように

ゼロ和解の話題を持ちかけられたら、まずは取引履歴を開示するように強く求めましょう。本来、貸金業者は契約者からの取引履歴開示を断ることができません。ゼロ和解に応じるかどうかは、取引履歴を見てから決めると伝え、交渉はここで打ち切りにしましょう。

 

その後、貸金業者から取引履歴が届いたら過払い金の有無を確認しっかりとし、貸金業者に対して過払い金の請求、再度の交渉に臨むのが正しい過払い請求の手法です。

 

過払い訴訟は誰にでもできるもの

しっかりと過払い金の計算を行い、再度の請求を行うと、ここでもまたゼロ和解の申し出をされることがあります。「弊社には過払い金を返還する余裕がないため、どうしても請求するというのであれば、裁判にて請求をしてください」、といった具合に対応されることがあります。

 

さらに、「過払い裁判は素人にできるものではない、専門家に依頼をすると法外な報酬を取られる」といったことを付け加え、「ゼロ和解のほうが良い」といったことを全面的に押し出してきます。

 

しかし、こちらは貸金業者側が過払い請求をされないための口実です。実際には、過払いの裁判を個人で行っている方もいますし、専門家も法外な報酬を取るようなことはしません。

 

このような口車に乗せられ、ゼロ和解を了承することだけは絶対にしないようにしましょう。