過払い金は基本的には課税対象とはならない

貸金業者との取引が平成18年より以前から続いていて、取引期間が10年を超えるような場合、100万円を超える過払い金が発生していることもあります。昭和の時代から取引をしていたような方は、300万円を超える可能性も十分にあるのです。

 

この過払い金は、請求をすることによって最終的に現金として自分の手元に入ってくることになりますが、返ってきた過払い金は、果たして税金が課税されることになるのでしょうか?

 

返還される過払い金が多ければ多いほど、どうしても税金というのは気になってしまう問題です。

 

過払い金自体は課税対象ではない

事業用ローンなどの場合はまた少し事情が変わってきますが、一般的な給与所得者(サラリーマンなど)の場合、返ってきた過払い金が課税対象になってしまうことはありません

 

過払い金というのは、法律的には「不当利得金」といって、貸金業者側が不当に得たお金のことをいいます。つまり、過払い金は本来、支払う必要がなかったお金になるため、収入には該当せず、税金の課税対象にはなりません

 

ただし、過払い金の回収時、元金だけでなく利息も付していた場合、この利息分は課税の対象となってしまうので注意しましょう。

 

過払い金の利息について

過払い金の請求時、実は過払い利息を付して請求することも可能となっています。過払い利息というのは、過払いが発生した翌日から、元金に対して年5%の利息がつくことになります。

 

裁判外で請求をする場合、ここまで厳密に請求をすることはほとんどないといえますが、裁判にて請求をするのであれば、5%の利息を付して請求するのが一般的です。

 

この利息に関しては、不当利得金には該当せず、税法上の雑所得に該当することになりますので、20万円を超えるような場合は、確定申告をし、しっかりと納税する義務が生じます。

 

過払い金利息を専門家への費用に

過払い請求を専門家に依頼していた場合、最終的に回収した過払い金利息を専門家への費用という名目で、税法上の経費として差し引くことができるのか?また、訴訟をしていたのであれば、訴訟費用といったものも経費として扱われるべきでは?といった問題が出たことがありました。

 

こちらの回答については、管轄となる税務署によって回答が異なることもあり、正しい処理についての法律がいまだ確立されていません。

 

このような問題があるにはありますが、どちらにしても回収した過払い利息が20万円以上になってしまうような場合は、脱税とみなされないように専門家や税務署に相談をすることが重要です。